I wonder

ゆっるい事務所担の覚え書き。Twitter@xiwonderx

リア恋(枠)は虚像を補完している

 ご存知の方も多いだろうが、アイドル界隈にはリア恋という言葉がある。いつから流行り出した言葉なのかは分からないが、声優オタクだった2013年頃の私の周りではガチ恋と言われていたと記憶している。
 リア恋、またはそれを縮めてリアコと呼ばれるこれらはそのまま「リアルに恋している」という意である。
 私自身はここ数ヶ月の間にリア恋枠という存在ができた身なので解釈や考えが間違っていたら申し訳ない。
 リア恋について書かれた記事をいくつか読んで面白いなと思っていて自分がこれについて書くことは考えていなかったが、あるものを知ってから急に書き留めておきたくなり今に至る。

 そのあるものとは「タルパ(トゥルパ)」である。又聞きしただけなので細かいことは知らないが、想像したものをまるで本当にいるかのようにすることができる、らしい。
 イマジナリーフレンドとの違いが私にはよく分からないのだが設定を細かに決めてその思念が具現化するというもののようだ。
 以前私は芸能人についてこう述べた。

そもそも。本当の彼とは?私が応援してるのはアイドルの彼だ。アイドルとしてファンに「見せていい」とアイドルである彼が思っている「彼」の面だけを見ている(中略)世の中のアイドル、いや、芸能人と言ってもいいだろうか。彼/彼女は皆芸能人である自分を演じているのだろうと思った。 また三宅健くんはアウトデラックスにて、「芸能人なんてみんな虚像だよ」という名言を残しているが、その通りだと思う。 アイドルに対して「自然体なところが好き」と言うことがある。これは、虚像として自然体なところが好きという意味で実像が見えて自然体だと本気で思っているわけではない。もちろん全ての芸能人、アイドルが100%虚像とは言い切れない。大げさに言えば、1%虚像で99%実像で芸能人をやってる人もいれば、100%近く虚像で芸能人をやってる人もいるだろう。

暴かれるということ - I wonder

リア恋(枠)になる理由というのはそれぞれ異なると思うのだが、たとえば私の中でリア恋枠と言えば、で浮かぶのは菊池風磨くんだ。爆モテ感、女心わかってる感、絶対にそこらへんにいないのだけどいてもおかしくないようなリアルさを感じられる男気溢れている感じ。私は私判断でのとある共通項がある人にばかりリア恋をしてしまうのだが、メジャーというか分かりやすくリア恋枠代表とするならこういった点が挙げられるのだろうと思う。
しかし風磨くんに限らずリア恋(枠)とされる彼らの全てを私たちは知っているわけではない。私たちに見せていい部分だけをたくさん見せてくれている。

 以下、アイドルである彼らのファンに見せていい部分だけを見せるという芸能人としての彼らを虚像という言葉を使用する。

 私を含めリア恋をしている人たちは、虚像の魅力的な部分から広げて、きっとこうだ、彼らはこうしてくれるだろう、こんなことをしたらきっとこんな反応をしてくれるという想像をどんどん付加してゆき、虚像の曖昧な部分をいいように補完することでもはやいいように解釈したその名前を借りた本人に対してリアルに恋をするのだ。
 芸能人は遠い存在だ、いちファンが見向きされるわけがない。そんなことは誰よりもわかっている。
私たちは私たちが彼らのことを教えてもらえていないことを知っている。その上で好きになる。
 タルパとは無から詳細を妄想し、作り出す思念物であるが、リア恋は芸能人の虚像から詳細を補完し、作り出す新たな虚像に夢を見ることをやめられないのではないだろうか。

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